生活に支障が出る依存症は、本人の意思が弱いからではなく、脳の障害という医学的な疾患として診断されることがあります。依存症は孤独の病気とも言われるため、本人や家族だけで改善するのは難しく、専門機関での治療や周囲の力を借りながら回復を目指すケースも多いです。依存症の症状かもしれないと思ったときには、まず近くにある保健所や精神科、診療内科などに相談するのが賢明です。
医療機関の場合は、状況や症状に応じて入院か通院のどちらかを行い、認知行動療法やカウンセリングなどの対話を通じて心理的な問題の解決を図ります。また、依存症治療の研修や依存症問題に関する法律などを学んだ看護師がケアサポートを行ったり、日常生活の中での再発を防ぐために、呼吸法やリラクゼーション、電話療法なども行います。
自助グループや支援施設などでの相談も可能です。このような施設では、患者と家族が共に参加して依存症についての理解を深めていきます。精神保健福祉センターなどでは、相談支援を行う職員を対象として、薬物やギャンブル、アルコールなどの依存症に関する指導者養成研修を行っていることもあるでしょう。さらに、家族会など当事者の家族同士が集まる会もあります。ここは悩みを共感しあったり、今後の人生をどう生きるかを一緒に考えたりすることで、お互いを支えあえる場となっています。
患者は病気の意識がなかったり情緒不安定な場合もあるため、支える家族の苦労は大きいですが、当事者家族同士で共感することで、患者の回復を信じて諦めずに希望を持てたり、前向きになれる場合もあります。